20年後のAIと教育の関わり方を予想してみる
- 誠 小林
- 2024年3月3日
- 読了時間: 4分
昨年2023年はAIにとっては2つの意味で大きな変化があった劇的な年でした。一つは「Stable Diffusion」の登場とそれによる画像生成AIの普及。もう一つはなんと言っても「ChatGPT」の登場ですね。AIの種類としては「大規模言語モデル(LLM)」というものになります。
AI技術の発展の速さには目を見張るものがありますが、2023年は歴史に残る年だったと言えるのではないでしょうか。
アイアイルクでも画像生成AIの体験会を行いました。
この他にも画像生成AIを使ってゲームづくりなどもやってたりしてます。
ChatGPTも少しずつレッスンに取り入れています。子どもたちの調べ学習のサポーター役と位置づけてる感じですですね。
ちょうど昨日も中1の生徒から
「先生、Pythonでランダム使うのどうやってやるんだったっけ?」
みたいな質問がありました。まぁ、私が教えても良かったんですが、いい機会だと思ってChatGPTで質問を投げてみたら?と言ったら、色々試行錯誤しながらChatGPTの出してきたコードとにらめっこをしていました。
2024年はAI活用の年になる
こういう流れを見ているとAIを使って何ができるのか、ということを模索している段階にまだまだある気がします。よく「AIが世界滅ぼす」とか「人の仕事を奪う」なんていう人がいますが、実際使ってみるとまだまだ出来ないことが多いのですが
ただ、AIを使って何ができるのかということを考える人が爆発的に増えてきているのは感じます。商業イラストの世界ではすでにAIをうまく使って製品が出てきますね。
その流れの中で大きいのが人間の思考のサポートにAIを使うという使い方。
いまのAIは人間とが対話ができるので、対話しながらアイデアを練っていくという使い方ですね。
長岡出身のAI起業家の清水亮さんもChatGPTで構成を考えてもらって本を作ったと言ってました。実際に手にとって読みましたが、新しい読み味の本でしたね。

芥川賞受賞者がAIを使っていたこともニュースになりました。
自身の生活でも「誰にも言えないようなことを人工知能に相談したりしたことはありますね」と九段氏。「AIが期待したことを言ってくれなかったりした場合に、主人公のセリフに反映させてみたりということはいくつもありました」と明かした。
AIを使って深い思考、広い視野を得ていくという使い方が示されてる良い事例かと思います。
2044年の教育の形-AIと教育の関わり
私は教育に関わって行きてますので、当然「AIを教育でどう使おうか」「AIを子どもたちにどう教えようか」という視点でAIの発展を見てます。ただ、別の視点があるかもしれないと思うようになってきました。
AIを教材や教具として使うというのはとてもわかり易い使い方です。ただそれだけじゃなくて、AIを使って「子どもの理解」を深めるってことができるんじゃないかと思っています。
AIの面白いところは「学習によって成長する」というところです。私はAIのデータ作成の仕事をやっていたこともありますし、勉強してる過程で自分でAIの構築をしたこともあります。お米を粒の写真を見せると良か不良かを判別するAIなんてものを作ったことがあります。
そういう経験を踏まえて考えるとAIの学習に教育学の知識って使えるところが大きいと思ってす。AIもはじめはとことんおバカなので、そこにデータという形で知識とか価値判断を教えていくという過程があります。そういうところがすごく人間ぽいのですよね。
AIの究極的な目標は「人間と同じことができるようになる」ことです。20年後にはそれが実現できるかもしれないと言われてます。シンギュラリティといいます。
シンギュラリティとは
例えば教師のトレーニングとしてAIに子ども役をやってもらって、経験値を積む。そのことで教師の品質を向上・維持する。そんな仕組みが20年後にはあるかもしれません。子どもを模倣するAIですね。
こういうことを書くと「教師そのものがAIになってんじゃないの?」って言われるかもしれないですが、私はそうは思ってないのです。
AIがいくら発達しても人間の本質的は部分が変わるわけじゃないからです。人間が何百万年もかけて「大人から知恵を得て成長していく生き物」として進化してきたという事実はAIがどう発達しようが変わらないのです。
だから子どもという存在が「大人からの知恵」を吸収して生きている存在だということもきっと変わらない。だから「知恵を授ける大人」という存在は無くなりはしないはずです。
そういう意味でAIが発達した社会になればなるほど幼少期の教育が重要視される時代になるのかもしれませんね。
Comments